インプラントか?部分入れ歯か?迷った時に知っておきたいポイント

インプラント治療?入れ歯治療?本当の健康とは

WHO(世界保健機構)は1999年に健康とは「単に病気あるいは虚弱ではない状態ではなく、身体的・精神的・社会的に完全に良好な動的状態である」と定義しています。

つまり「新しく入れた歯で今までと変わらない日常生活(食事・会話・見た目等)を送れるか」という事です。

ここでは天然歯と比較したインプラント治療と入れ歯治療の違いについて説明します。

しっかり食べられるポイントは歯根の有無

天然歯の場合

歯肉・歯根膜・歯槽骨の構造

天然歯では歯根で咬む力を負担します。歯根は骨の中に埋まっており、歯根と骨の間には歯根膜があります。歯根膜はクッションのような役割をして、咬む力を調節します。

部分入れ歯の場合

部分入れ歯の構造

部分入れ歯には歯根がないため、欠損部分の歯肉や金具を掛けた歯で咬む力を負担します。 柔らかい歯肉では、咬む時に部分入れ歯が沈み込みます。そのため最大咬合力や食べ物を咬む効率が天然歯の40%程度になります。

インプラントの場合

インプラントの構造

インプラントでは人工の歯根で咬む力を負担します。骨に直接埋まっている人工の歯根は、咬む時に沈み込みがありません。また骨との間には歯根膜がなく、最大咬合力は天然歯以上の力になり、食べ物を咬む効率も天然歯に比べ80%以上となります。

しかし歯根膜のないインプラントでは咬む力が調節できず、咬み合う歯をいためる可能性があります。

見た目のポイントは金属が見えないこと

部分入れ歯の場合

部分入れ歯の金属が見える

部分入れ歯は取り外し式で、口腔内に維持するための金属の留め金が必要になります。この留め金の金属色が入れ歯の審美性を損ないます。

ビーチアタッチメントのような特殊な装置で、留め金を目立たなくすることもできますが、完全に無くすことはできません。

インプラントの場合

インプラントの構造

天然歯における被せ物の治療と同様に、インプラントでは人工の歯根に被せ物を接着します。白い被せ物で治療すれば、金属が見えることもなく、自然な口元になります。

またしっかり咬むことにより口の周囲の筋肉も鍛えられアンチエイジングの効果もあると言われています。

スムーズな会話のポイントは、舌の動きを邪魔しない構造

部分入れ歯の場合

反対側に金属が必要となる部分入れ歯

入れ歯にはピンク色の床と呼ばれる部分や留め金が必要になります。また片側にしか欠損部分がない場合も、入れ歯の安定を図るために、反対側まで金属を伸ばす必要があります。これらの装置が舌の動きを阻害し、しゃべりづらさの原因になります。

インプラントの場合

インプラントの構造

骨に埋め込まれた人工の歯根に被せ物を接着するインプラントでは、舌の動きを阻害する余計な装置が一切ありません。歯の形・大きさ共に天然歯に近い状態になり、違和感なくしゃべることが出来ます。

その他の考慮するポイント

虫歯や歯周病のリスク

部分入れ歯

入れ歯自体は、虫歯や歯周病にはなりません。しかし、留め金をかけた歯や入れ歯が接する歯には汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。また留め金をかけた歯にかかる余計な咬む力は、歯を揺り動かし歯周病のリスクを高めます。

インプラント

インプラントは虫歯にはなりません。また、周りの歯へのリスクもありません。しかし感染防御に大きな役割を果たす歯根膜がなく、インプラント周囲炎(天然歯における歯周病)のリスクがあります。

治療の制約

部分入れ歯

特に制約はありません。

インプラント

インプラントは歯がない部分の骨に厚みが足りない方や全身疾患(高血圧や糖尿病等)をお持ちの方は避けたほうが良い場合があります。

メインテナンス

部分入れ歯

入れ歯では半年に一度、内面を一層削り、新しい材料を足す必要があります。

インプラント

インプラントは、3~6ヶ月に一度、天然の歯と同様にクリーニングをする必要があります。

費用

部分入れ歯

入れ歯は保険適用から保険適用外のものまで各種あります。

/当院の入れ歯・義歯について/

参照 : 今よりもっと快適に、当院の入れ歯治療についての種類・費用の項を参考にして下さい

インプラント

インプラントは保険適用外です。

参照 : インプラントの金額 ~値段・費用の考え方~

期間

部分入れ歯

3週間前後必要です。

インプラント

下顎で2~3ヶ月、上顎で4~6ヶ月必要です。
※費用、期間は、欠損歯の数や歯を失った時期により変動します。参考程度でお考え下さい。

大切なポイントは天然歯に近いこと。楽しい会話、美味しい食事につながります。

インプラントは審美性、機能性ともに天然歯に近い状態になります。

インプラントの被せ物は形、大きさ、色など天然歯と同様に作製できます。入れ歯に必要な留め金はなく、金属が見えることはありません。また入れ歯のような違和感はなく、大きな口を開けて笑い、家族や友達との楽しい団欒を過ごすことができます。仕事においても、会議や人前でのプレゼンテーション等で余計なことを気にすることなく自身を持って話すことができます。

また実験データによると、インプラントは天然の歯に比べ最大咬合力が同等かそれ以上あり、咀嚼能率(物を噛み砕く効率、一定の物をどれぐらいのスピードで咬めるか)は80%以上と言われています(入れ歯はいずれも30~40%程度)。要するに食べ物をしっかり咬めるということです。

食べ物をしっかり咬めるということは、

  • 消化吸収が促進され、栄養をしっかり摂取でき、全身の健康状態を良くします。
  • 食べ物より出る味物質の量を増加させ、食事が美味しくなります。
  • 脳の活性化や顔の筋肉が鍛えられることによるアンチエイジングの効果もあります。

現在の入れ歯に少しでも不満のある方は、まずはご相談を

上記でも述べたようにインプラントは非常に医療効果の高い治療法です。
インプラントは機能的、審美的構造が天然歯の状態に近く、何気ない普段の生活の中で口の中に意識を向ける必要はありません。当院でも条件さえ許せば、入れ歯よりもインプラントのほうが良いと考えています。

しかしインプラント治療にも限界があります。

骨に充分な厚みの無い方や全身的な疾患があり手術ができない方には、インプラント治療は施術できません。欠損歯が多い方には、安全性・長期的な予後・トラブルの少なさから入れ歯が良い場合も多くあります。また、高額な治療費も判断材料の一つです。

第一選択肢はインプラントですが、あくまで選択肢の中の一つです。

「インプラントに変え、大満足な方」
「インプラントに変えたいと相談され、入れ歯の調整で満足された方」
「とりあえず入れ歯から始めて、使用感により判断される方」
など様々です。

当院では患者様と話し合い、様々な選択肢の中から治療方法を決定しております。是非一度ご相談下さい。

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