虫歯・歯周病の再発予防にゴールドを勧める理由

ゴールドと金銀パラジウム合金のインレー

詰め物や被せ物に求められる健康上の最も大切なポイントは、虫歯や歯周病の再発防止効果の高さです。見た目を考慮しない場合には、ゴールドで作られた被せ物・詰め物が最も虫歯や歯周病の再発防止効果に優れており、多くの歯科医師は自分の口の中の治療にゴールド治療を選択します。

ここではゴールド(金歯)と金銀パラジウム合金(銀歯)の治療上の違い(メリット・デメリット)についてご説明致します。

ゴールド・金銀パラジウム合金 治療比較表

ゴールドでの治療 金銀パラジウム合金での治療
使用金属 ゴールド 金銀パラジウム合金
虫歯、歯周病予防
接着剤の違い
型取りの材料の違い
咬み合う歯への影響
アレルギー
保証期間 7~8年 2年
保険適用

金額面を除いたすべての面でゴールドの詰め物・被せ物が健康的に優れています。

保険適用

ゴールド使用時 保険適用範囲外
金銀パラジウム合金使用時 保険適用範囲内

ゴールドは保険適用外のため、治療費は全額負担ですが治療方法や使用材料(接着材や型取りの材料)に制限を受けません。

金銀パラジウム合金は保険適用内のため、治療費は3割負担と安価ですが治療方法や材料に国が定めた制限を受けます。

(詰め物・被せ物の種類により、費用は変わります。)

使用金属

ゴールド使用時 ゴールド
金の含有量が約75%の18金を使用。
金銀パラジウム使用時 保険適用
金の含有量が12%。その他にパラジウム、銀、銅、亜鉛、などを含む合金を使用。

虫歯、歯周病予防の違い

ゴールドでの治療 段差のないゴールドでの治療 ゴールドは柔らかく伸びも良いため、歯と被せ物との段差や隙間が小さく、虫歯や歯周病になりづらい。
金銀パラジウム合金での治療 パラジウム治療での段差 金銀パラジウム合金は固く伸びが悪いため、歯と金属との段差や隙間が大きく、ゴールドに比べ虫歯や歯周病になりやすい。

歯と被せ物との段差は、プラーク(細菌の塊)や歯石が溜まる原因になり、虫歯や歯周病の再発のリスクが高まります。また歯と被せ物との隙間が大きいと、そこから細菌が侵入し虫歯が再発します。

柔らかく伸びが良いゴールドで作成した詰め物や被せ物は、段差や隙間が極めて小さく、虫歯や歯周病のリスクを減少させます。

セメント(接着剤)の違い

ゴールドでの治療 接着力が強く、溶け出しにくいセメントを使用。
金銀パラジウム合金での治療 接着力が弱く、溶け出しやすいセメントを使用。

歯科用のセメント(接着剤)には、接着力の強さやセメントの溶け出しやすさに違いがあります。接着力が弱いと短期間で被せ物が取れてしまいます。またセメントが溶け出すとその隙間から菌が入り込み虫歯になりやすくなります。

自由診療であるゴールドの治療では使用材料に制限がないため、保険診療の金銀パラジウム合金の治療に比べ、接着力が強く溶け出しにくいセメントを使用できます。そのため2回目の虫歯や歯周病の再発を防ぐことができます。

型取りの材料の違い

ゴールドでの治療 再現精度の高い材料を使用。
金銀パラジウム合金での治療 再現精度の悪い材料を使用。

被せ物や詰め物は、まず歯の模型を作製し、それを元に作ります。模型は膨張や収縮により、実際の口腔内とはズレが生じます。このズレが小さいほど、虫歯や歯周病になりづらい歯にぴったりした被せ物や詰め物を作ることが出来ます。

自由診療であるゴールドでの治療では型取りの材料に使用制限が無いため、実際の口腔内とズレが小さい模型が作成できます。保険診療の場合は自由診療よりもズレの大きな模型しか作成できません。

咬み合う歯への影響

ゴールドでの治療 ゴールドは柔らかく、咬み合う歯を傷つけない。
金銀パラジウム合金での治療 金銀パラジウム合金は硬く、咬み合う歯を傷つける。

長期間使用した場合、金銀パラジウム合金と咬み合っている天然の歯は、すり減って摩耗していきます。

アレルギーと歯肉の変色

ゴールドでの治療 ゴールドは、金属イオンの漏出によるアレルギーや歯肉の変色が少ない。
金銀パラジウム合金での治療 ゴールドに比べ、金属イオンの漏出によるアレルギーや歯肉の変色が多い。

ゴールドは化学的に安定した金属で金属イオンが漏出しにくく、金属アレルギーの可能性が減少します。また金属イオンの漏出は、歯肉粘膜の変色(メタルタトゥー)を引き起こします。

保証期間の違い

ゴールドでの治療 7~8年
金銀パラジウム合金での治療 2年

ゴールドで治療した場合、当院では7~8年以内に問題が起こった場合は、被せ物も詰め物も無料でやり直しています。(定期検診やセルフコントロールの協力が得られる方のみ)

金銀パラジウム合金で治療した場合、作製から2年以内のトラブルは無料でやりなおす決まりがあります。ただし詰め物の場合、保証期間はありません(全国一律)

まとめ

被せ直しや詰め直しなど歯科治療の多くは再治療です。虫歯や歯周病になりづらい材料で治療をすれば、再治療を確実に減らすことができます。

歯は治療するごとに細く弱くなっていきます。再治療をなくせば歯を守れることはもちろんのこと、治療に伴う煩わしさ(痛み、通院、時間、費用等)もなくなります。

私の口の中は、審美性に関係ない部分はすべてゴールドで治療してあり、20年以上再治療は行っていません。セメントの劣化により詰め物がとれたことはありますが、虫歯にはなっておらずそのまま付け直しただけすみました。歯医者も自ら受ける治療ですから良いことには間違いありません、金銭的な問題さえ許せばゴールドでの治療をお勧めします。

歯の治療は何年かに一度、やり直しするものではありません。

歯科医師の技術・材料学的な問題・定期検診・正しいセルフコントロールで、再治療の割合は減少し、一生自分の歯で美味しい食事や会話を楽しめます。

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カテゴリー:歯周病 虫歯

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